賃貸借契約では当事者の間で種々の名目の金銭が授受されます。敷金、権利金、保証金、礼金などです。支払った金銭が返還されるか否かは、それぞれの法的性質によって異なります。
敷金は、借主の債務不履行を担保するために、家主へ交付される金銭で、契約が終了し、建物を明け渡すときに、滞納家賃や原状回復費を差し引いて借主に返還されるものです。
権利金は、営業用の店舗を借りる際に授受されることが多く、1.営業ないし営業上の利益の対価、2.賃料の一部の一括前払い、3.賃借権に譲渡性を付与した対価 などの性質をもっています。したがって契約終了時に借主に返還されるものではありません。
保証金は、契約の際、賃貸人の債務の不履行(家賃の不払いなど)を担保するため、一時的に貸主へ支払うもの。多くは契約終了時に1〜2割の償却が予定されていたり、債務不履行があればその金額を除き、残りが返還されます。主に営業用物件にみられ、敷金と性格は似ています。
礼金は、契約時に謝礼として家主に支払われるものなので返還はされません。
|