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住宅ローン金利がじわり上昇!今こそ知っておきたい住宅市場

 今年2月に入って、日経新聞をはじめとした全国紙では住宅ローン金利の上昇を取り上げた記事を相次いで掲載している。1月31日に長期金利が6年ぶりの高水準をマークしたことを受けての報道だ。海外での金利上昇が、いよいよ日本にも波及してきた格好といえる。

 物価や金利の上昇は好景気の現れとも言えるものだが、一方で住宅取得者層にとっては負担増とも取れる。それは住宅ローンの返済額に影響するからだ。コロナ禍も収まらず、市場が大きく動いているなか、我々はどのように家づくりを考えていくべきなのだろうか。一般社団法人日本住宅ローンコンサルティング協会代表理事の鴨藤政弘さんに詳しくお話をうかがった。

鴨藤 政弘さん一般社団法人日本住宅ローンコンサルティング協会 代表理事

鴨藤 政弘さん

 外資系生命保険会社勤務を経て2017年10月に独立。鴨藤FP事務所を開設し、協会理事に就任。これまで住宅ローンアドバイザー、火災保険のスペシャリストとして、累計3,000件超の住宅ローンアドバイスを行ってきた。2019年2月、一般社団法人日本住宅ローンコンサルティング協会代表理事に就任。現在はハウスメーカーや工務店主催の「住宅ローンセミナー」の講師を務めるほか、全国のFP向けセミナーでも活躍。時代背景、経済情勢、金利動向の的確な分析、ポイントを絞ったわかりやすい解説に定評があり、各方面からのセミナー講師の依頼が絶えない。

■住宅ローンの金利はどう決まる?
 まずは現状について正しく知ろう

 現在の住宅ローン金利について知るなら、まずは日銀(日本銀行)の金融政策について理解しておこう。日銀は、言わずと知れた日本の銀行の銀行。その目的は「物価の安定」を図ることにある。物価の上昇や下降を表す指標として「消費者物価指数」というものがあるが、これは世界標準で2.0%が望ましいとされている。日銀も、日本国内でそれを安定的に達成していくことを目指している。

 バブル崩壊後、低迷している日本経済を回復させるため、2016年に日銀が発表し、現在まで実施されているのが「マイナス金利政策」だ。日銀はまた、消費者物価指数が安定的に2.0%をマークし、景気が回復したと判断できるまでは現在の金融政策を続けることも公約している。そのようにして企業や個人に融資を促し、経済活動の活発化を狙っているわけだ。

 そして、次に知っておくべきなのが、コロナ禍の影響を受けた海外の市場動向である。これは、物価と金利の両面から見ておく必要があるものだ。

 2020年初頭、コロナウイルス感染症の全貌が分からず市場が混乱した際には、経済活動に大幅ブレーキがかかり、株価が暴落。いわゆるコロナショックが起きた。

 その影響を受けて、住宅産業をはじめ、多くの企業が自社の成果物を減産していった。しかし、その後の巣ごもり需要などから、実際には多くの産業で需要が落ち込まず、結果的に需要に対し供給が足りないかたちで需給バランスが崩れているのが現状だ。

 今も、ウッドショックと呼ばれる外国産の木材の高騰や、それに続く建築資材の高騰が起きている。配送やエネルギーのコストも上がっており、今年2月にはアメリカの消費者物価指数はなんと7.9%をマークしている。この伸びは約40年ぶりの水準である。

 行き過ぎたインフレは不安を引き起こすため、政府は物価の上昇率を適正な値に抑えねばならない。アメリカ政府は今年3月に金利の利上げを宣言したが、これは物価上昇を抑えるための施策となっている。

「少し分かりづらいかもしれませんが、物価を安定させるために金利を調整するのはスタンダードな手法です」と鴨藤さん。「物価の上昇率が高い状態でもし融資の金利が低ければ、融資を受けて不動産などを購入し、短期間で手放すだけで利益が生まれることになってしまいます。取引が過熱すればさらに物価は上昇し、バブル(マネーゲーム)となってしまいますが、それは健全な市場環境とは言えません」。政府としては、物価上昇率に金利を近づけることでそのような取引を規制し、「物価の安定」を図りたいということだ。

 さて、いずれにしてもそのような海外の情勢は、現在進行形で日本の市場にも多大な影響を与えている。先に述べたように、物価と金利、それぞれの側面から私たちへの影響を考えたい。

 まずは物価について、鴨藤さんの見解を伺った。「日本の消費者物価指数は昨年12月時点で0.8%ですが、日銀が定期的に発表している経済物価情勢の展望によれば2022年度中に1.1%になるとのこと。これはかなり控えめな数字だと言えます。消費者物価指数は私たちが購入する物の値段の上昇率ですが、もうひとつ注目すべき指標として企業物価指数というものがあります。企業物価指数とは業者(企業)の仕入れの価格の上昇・下降を表す指標ですが、こちらは2月速報値で9.3%もの上昇率になっています」

 輸入物価の上昇率は34%。アメリカをはじめ、海外輸入品の物価が上がっているために、仕入れ価格が大幅に上がっているということだ。仕入れがこれほどに上がっているのに、消費者物価がそこまで上がっていないのはひとえに企業努力によるもの。価格を変えずに減量するなどの実質値上げのほか、人件費の削減などでカバーしているそうだ。

「とはいえ、企業側にとって価格の据え置きは限界が来ています。住宅資材なども、各メーカーが続々と値上げを発表しており、未だ終わりが見えません」

 金利についても同様だ。先に述べたように、物価と金利の上昇はゆるやかに連動する関係性であるから、これらの物価上昇は日銀による利上げへ直結する。

「また、為替の関係から考えても、アメリカの金利が上昇するなら、日本も金利も引き上げていかなければいけません。もしアメリカの金利が上がって、日本の金利が上がらないとしたら、日本の投資家はどちらに投資するでしょうか。当然ですが、日本円を売って米ドルを買うでしょう。そうすると、円の価値が下がる、いわゆる円安になります。円安になると、輸入物価は相対的に上がります。ガソリンなどはすでに大幅に値上がりしていますが、さらに負荷が増えるということですね。日本は自給自足していない国なので、ほとんどの製品を輸入に頼っています。そのため、アメリカの物価上昇や金利上昇の影響を大きく受けてしまうわけです」

 物価や金利の上昇は、それ自体は経済成長の証でもあり、決して悪いことではない。しかし、足元では好景気が感じられない、という読者もいるだろう。これはどのように捉えればよいのだろうか。

「今起きているのは悪いインフレと呼ばれていますね。物価や金利の安定的上昇は歓迎すべきことですが、これは本来、賃金の上昇とセットです。物価が上がることは企業の売上アップにつながり、売上アップは利益創出につながります。その利益を労働者に還元して潤っていくのが豊かな経済成長につながっていくわけですが、なかなか賃上げまで至らないために苦しい印象があるのだと思います。今後、政府や企業の舵取りに期待していくところですね」と鴨藤さんは言う。

新発10年国債利回りの推移

■金利タイプの選定はさらに慎重に、真にリスクの少ない住宅ローン選び

 コロナ禍に端を発する物価上昇から、金利の利上げにつながるメカニズムを知ることができた。このような状況下において、住宅ローンの選び方には変化があるのだろうか。

 住宅ローンの金利タイプは、大きく分ければ固定金利と変動金利の二種類。固定金利は借入時に将来の金利が確定するタイプ。変動金利は金融市場の状況に合わせて金利が変動していくタイプで、10年固定金利などの商品も11年目から金利変動するため、変動金利に分類される。

「金利タイプの選定は、明暗を分けるので注意していただきたいところです。目先の金利を見れば変動金利がコストメリットが大きいように見えますが、必ずしもそのメリットを享受できるわけではないということを肝に銘じてください」と鴨藤さんは強調する。

 日銀は、消費者物価指数が安定的に2.0%を超えるまでは現在のマイナス金利政策を継続すると宣言しているため、もし仮に今の金融政策が続くのであれば、変動金利で設定されている格安の金利は非常に魅力的だ。

 しかし前述のように、現在の世界経済の動きを見れば、各種金利の上昇は現実的にありうる。消費者物価指数が安定的に2.0%となれば、日銀が金融政策を転換する可能性がある。企業物価指数が大幅に上がっていることを鑑みれば、来年度の消費者物価指数は「1.5%、場合により2.0%の大台も考えられます」と鴨藤さんは推測する。

「変動金利のリスクは、金利の上昇に際限がないということです。住宅ローンを組まれる35年間に金利の上昇がまったくなければ、たいへん安い金利で結果オーライということになりますが、足元でこれだけ物価が上がっている中で、金利上昇がないとは考えられません。そもそも数十年後がどうなっているかを予測するのは不可能ですから、変動金利が決して上がらないとは誰も言い切ることはできないはずです。一方で、固定金利は当然ですが最後まで金利が変わりません。価格変動リスクを考えれば、変動金利との差額はリスクヘッジの保険料として許容できるレベルの額だと思います」

 また、併せて留意しておきたいのは手元資金の使途だと鴨藤さんは言う。「状況にもよりますが、例えば現金で3000万円を持っている方が、住宅購入にその現金を充当してしまうのはおすすめしません。住宅ローンという負債もなくなりますが、現金という手元資金もなくなってしまう状況は、とても安心とは言えません。それなら、手元資金を残しながら3000万円の住宅ローンを固定金利で組むほうが、住宅ローンという負債は増えますが、手元にも同額の資産が残りますから、いざという時にお金の融通が効きます。それに、物価上昇に伴い借金の価値も相対的に低くなっていきますから、いつでも返せる状態でたくさん借りておくのは決して悪いことではないのです」

 ある程度の手元資金を確保しながら、固定金利を選ぶということがリスク回避につながるということだ。

 最後に、これから家づくりを行う読者に対して鴨藤さんからアドバイスをいただいた。

「現在、住宅ローン金利は底値に近いと思いますが、だからと言って、今が買い時ということにはなりません。そもそもマイホームとは家族が幸せに過ごすための居場所となるものです。幸せに暮らしていくためになにが必要か、から逆算して検討していただくのがよいでしょう」

 家族が増えて今の住居が手狭になるなど、それぞれの家族のタイミングを大事にしていくべきということだ。そして、幸せなマイホーム取得を実現可能なものにしていくため、『ライフプラン』が重要だと鴨藤さんは言う。

 ライフプランとは、自分が働いている会社や環境における、中長期的な収支を見極めることだ。自分や家族がどれくらいの収入を得られるか、将来的にどのような出費が予想されるか、それらの出費にどう対応していくか、などをシミュレーションし、自身や家族の将来にきちんと向き合うものだ。

「ライフプランはご自分でも作れますが、ファイナンシャルプランナーに相談してみることをおすすめします。支出に思わぬ盲点があったりしますし、給料の上昇率など、現実に即していない市場のデータをそのまま使ってしまうこともあるようです。私の場合はライフプランを作るためのヒアリングに平均2時間程度かかりますが、それくらいの時間をかけて項目を一つずつ確認することで、お客様に自分事と感じて頂くようにしています」

 そのようにして、家づくりにかけられるお金を算出。そうして初めて、住宅ローンの検討に入っていくことができるというわけだ。

「金融については難しいので拒否反応を示す方も多いのですが、生涯を通じて安心して暮らしていくためには、お金のことをしっかり理解しておくことも重要です。補助金などの国の支援策と併せ、金利などについても学んでいくことをおすすめします」

 これらの知識を深め、不安なく、納得のいくマイホーム取得を目指してほしい。

(2022.03)

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