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’20静岡県西部不動産市場を展望

<2020年は市場活性化への動きに注目。 価格は下落傾向に>

濱松不動産鑑定・中村進一郎氏に聞く!

中村進一郎さん写真 国土交通省が発表した2019年7月1日時点の都道府県地価(基準地価)によると、県内における平均変動率は、住宅地▲0.7%、商業地0.0%、工業地▲0.1%であった。住宅地及び工業地は11年連続の下落となったが、下落幅は縮小。商業地は11年ぶりに下落から横ばいに転じている。地方圏は明るい材料がなく頭打ち、との評もあるが、一方で復調傾向のエリアもあり、さらなる二極化が進んでいると見ることもできる。

 では、2020年の不動産市場はどうなっていくのだろうか? 不動産鑑定士の中村進一郎さんに、この一年を振り返りながら展望してもらった。

濱松不動産鑑定株式会社

不動産鑑定士

中村進一郎さん

■全国の地価の平均変動率は2年連続増 県西部は軟調気配も、二極化が進む

浜松市住宅地価格動向 冒頭でも述べた都道府県地価(基準地価)によれば、平成30年7月以降の1年間における、住宅地・商業地・工業地などの全用途を合わせた全国の平均変動率は2年連続で上昇となった。住宅地は▲0.1%と下落しているものの下落幅は縮小傾向で、商業地は1.7%、工業地は1.0%と、前年に続き上昇している。

 東京、大阪、名古屋の三大都市圏が上昇を牽引している部分はあるけれども、地方圏においても商業地は平成3年以来28年ぶりに上昇、工業地も平成4年以来27年ぶりに上昇に転じている。

 住宅地における下落幅の縮小は、雇用・所得環境の改善が続く中、低金利環境の継続や、住宅取得支援施策等による需要の下支え効果によるもの。交通利便性や、住環境の優れた地域を中心に、需要が堅調である。商業地の上昇傾向の継続は、働き方改革等に対応した労働環境の整備のために、企業のオフィス拡張や移転があったこと、また、外国人観光客をはじめとする国内外からの訪問客が増加している地域や、交通インフラの整備や再開発事業の進展で利便性などが向上している地域では店舗やホテルが意欲的に出店していることが要因として挙げられる。工業地の上昇傾向の継続については、インターネット通販の普及・拡大や景気回復を背景に、高速道路のインターチェンジ周辺等への物流施設建設の動きなどが需要増の要因となっている。

 では静岡県西部はどうか。住宅地価は下落が全域に広がっており(表A)、一見好材料がないように見える。区別に見ると、中区1.3%、東区0.3%と前年より上昇幅も伸びており、西区▲0.2%、南区▲2.5%はそれぞれ続落と明暗が別れていることが分かる。住宅地価格の推移では(表B)、令和元年度の「3.3uあたりの価格」は平均で280,000円、「1画地(62坪)の価格」は1,736万円と、2016年度並の価格へと3年ぶりに下落した。変動率に関しても▲1.0%と軟調気配だ。商業地についても、中区2.9%、東区3.5%と、住宅地同様に上昇基調が見られる

西部西エリア

西部東エリア

■取引件数や住宅着工棟数は昨年並み
人気エリアか否かで明暗が分かれつつある

 中村さんによれば、住宅取引はいっそう二極化が進んでいるとのこと。浜松市では、中区なら上島、曳馬、和合は人気があるエリア。流通している物件が少ないため「出れば注目が集まり売れる」と言う。東区なら半田山、篠ケ瀬町。西区は町域が広く分譲地もある入野町が取引件数は多くなる。北区は後述する理由から三方原町と初生町がトレンド。浜北区は区画整理による供給が多い中瀬と、中古住宅の売り物件が増えている内野台が多い。その他、大平台や染地台、半田山などの大型分譲地は品薄で価格も上昇している。近年多発する災害の影響で消費者がより安心・安全でリスクのない立地を求めるようになっているため、そういったエリアの周辺は品薄感が続く。中遠エリアに目を向けると、磐田市は高台に位置する富士見町の戸建て分譲が好調。また、袋井市愛野は前年に引き続き人気のあるエリアだ。袋井市の中心部より高く、今後、駅南と駅北の両サイドで分譲地の計画が予定されている。「通勤の便もよく、整備された奇麗な街並みが若い世代に受けているのでは」と中村さんは分析する。

 また、価格が高く販売に時間が掛かっている売土地が多いことにも注目。低金利で、買い手としては有利な市況ではあるものの、価格が動かないため成約に行きつかない物件も多数ある。仕入れにコストがかかっているため、なかなか相場を下げづらいという販売サイドの都合もあるが、一方でコンパクトなタイプの一戸建てが消費者ニーズにマッチしてくるとの見通しもある。世帯人員の減少も相まって、狭い借家から一戸建て居住に踏み切る一次取得者も多いため、建築面積を減らしたコンパクトな住居を手ごろな価格で提供できる業者が増えると市場も動き、景気の上向き感も期待できるようになる。実際に、住宅メーカー各社もコンパクトな規格住宅を開発・リリースしているため、2020年にはその動きがいっそう加速する可能性がある。

 その他、中古住宅も増えてくる見通し。さまざまな理由から、流通自体はあまり進まない可能性もまだ高いが、高齢化で所有者が亡くなるなどの要因から、市場に出回る物件は徐々に増えていくことになるだろう。

■第三都田地区工業用地の影響で北区の一部地域は需要増

第三都田地区工業用地写真 東名高速道路の浜松ICや三方原スマートIC、新東名高速道路の浜松浜北ICに浜松SAスマートICと、物流効率の良さが注目されている都田地区。浜松市が2016年度から進めてきた工業用地は、13区画のうち10区画がすでに分譲済み。残る区画も誘致企業の目処がつきつつある。実際、名だたる企業が誘致されたことで、人の流れがそちらにシフトしつつある。従業員の通勤ルートや生活圏も変化しているため、工業用地にもアクセスがよく、災害リスクも少ない高台エリアの三方原町や初生町は取引における最近のトレンドだ。市街化調整区域も混在していて供給も少ないことが人気に拍車をかけている。分譲地も点在しているが、売り物件は少ない。

 先にも述べたように、現在の市況は大きく二極化している。建売住宅もエリアによっては完成物件が増加傾向にあったが、12月に入り成約の動きが見えてきた。土地も建売住宅も全体的にみて物件数は多いものの、人気のエリアでは極端に供給が不足している。このような状況も判断材料に、今後の市場の動きを注視していくことが求められている。

テクノロード写真他

■マンション需要は少し落ち着き平常運転
販売者側は一層のマーケティングが重要に

 マンションは昨年と比べ物件数が減少した。昨年6棟あった新築分譲マンションは、2019年は3棟まで半減している(表C)。建築コストの上昇は落ち着きつつも、条件に見合った用地買収が難しくなっていることが供給減少の要因の一つとも言えそうだ。販売にも長期化が見受けられ、発売後まもなく完売した板屋地区再開発事業の一条タワーを除けば、竣工前の完売はほとんど見受けられない状況だ。

 分譲マンションの不景気は首都圏も同じ傾向にあるが「販売が長期化しているのはマーケティング、つまり変化する消費者ニーズに商品が応えきれていない」と中村さんは言う。「最近の分譲マンションは性能やデザインが進化しています。情報過多の現代において高齢化、少子化などといった時代背景からも消費者が求める要素は高くなっています」。消費増税や価格が高いから敬遠されているわけではなく、立地やデザイン、商品コンセプトなどが消費者ニーズとのすれ違いを生じ、販売に時間が掛かっているということだ。とはいえ、消費者サイドも、消費増税や先行き不透明感が慎重さとして現れている様子もあり、昨今の不景気感からマンション購入への警戒心は少し高まっていることからも、現在の市況が普通という見方もある。マンション分譲は、昨年までの好景気がひと段落したと言えそうだ。

 また、中古マンションについてはどうか。東京圏では価格が高騰しているケースもあり、県西部でも売れてきているようだが、価格は上がっているわけではない。ヴィンテージマンションの購入とリノベーションなどがトレンドになるのは、もう少し先になりそうだ。

浜松市新築マンション推移

一条タワー写真他

常盤町レジデンス写真他

■自然災害や気候変動も見越して安心・安全な住まい選びを心がけて

高台エリア写真 中村さんに地価の見通しをまとめてもらった(表D)。これまで伝えてきたように全体としては下落の見通し。しかし、それぞれ局所的に好調なエリアは存在している。「今後は動いていない物件の値下げなど、市場を活性化するための動きが見えてくるでしょう。そういう意味では2020年は注目の年とも言えます。それを機に取り引きが増えれば、景気も上がっていくのではないでしょうか」

 また、これから住まいを検討する読者へアドバイスをもらった。「安心・安全な場所を選びたい、というニーズがよりいっそう強まっていると感じます。自然災害や気候変動の影響、後年の資産価値まで、きちんと考慮に入れて決断をしていただく必要があるでしょう」

浜松市地価見通 2020年にはオリンピックも開催され、不動産市場に限らず、日本はいろいろなことを体験することになる。さまざまな景気対策も予定されているため、そういった支援策を上手に活用しながら、マイホーム計画を進めていってほしい。

(2019.12)

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