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18年不動産市場を展望

 不動産鑑定士 中村進一郎さん 不動産鑑定士 中村進一郎さんに聞く !

国土交通省が発表した2017年7月1日時点の都道府県地価(基準地価)によると、県内の住宅地の地価は前年比で1.2%、商業地は0.6%それぞれ下落した。いずれも9年連続の下落となったが、商業地は下落幅が縮小。住宅地も下落傾向の地点がある一方で、復調の兆しを見せている地点もあり、二極化・多極化が加速している。2018年の不動産市場はどうなるのか、不動産鑑定士の中村進一郎さんにこの一年をふり返りながら展望してもらった。 

 

濱松不動産鑑定株式会社
不動産鑑定士中村進一郎さん

■ 中区、東区で取引件数が増加新しい分譲地中心のマーケットに

 ブリックタウン中郡『浜松市住宅地の価格動向』(表A)を示しながら中村さんは説明する。「今年1月〜6月の浜松市の取引件数を前年と比較すると、中区、東区で約10%増えています。浜松市の住宅地の地価は上昇が30%、横ばいが40%、下落が30%(2017年12月時点)。特に中区の上昇が顕著で、これは分譲地中心のマーケットが形成されている現れです」。複数の区画をそろえた新しい分譲地に注目が集まり、交通アクセスや生活利便性のよさが後押しして成約を呼んでいるようだ。一方で既成住宅地の動きは鈍く、個人売買も減っている。

住宅地価格動向

 新しい街へのニーズが高いことから、供給側は土地の仕入れに積極的だ。地主も強気で安くは売らず、競争入札で値が吊り上るケースも多い。この結果、販売価格に反映され、地価の底上げにつながっているというのが中村さんの見解だ。好調な中区、東区に対して、動きが鈍いのが南区、西区、浜北区。「特別な事情がない限り、もともと中区に住んでいた人が郊外へ向かうケースは稀。以前は水窪などの中山間地から生活至便な浜北区へといった需要もありましたが、最近ではあまり見受けられません。先ほど述べたような理由で分譲地の売値は高く、取引件数は思うように伸びないですね」 

 

沿線別宅地価格 

■ 第三都田地区工場用地に企業誘致 人の流れが変わる可能性も

 JR新所原駅北区についてはどうだろう。住宅地は従来通りだが、造成が着々と進んでいる工業用地は盛況だ。牽引するのは、浜松市が2017年3月から分譲開始した新・産業集積エリア『第三都田地区工場用地』(総面積は47.6ha)。14区画を段階的に造成し、現時点で3区画の分譲先が固まった。最終的に2021年度内の全区画分譲を目指している。

 中村さんは続ける。「ここは東名高速道路と新東名高速道路の間に位置し、スマートICを含む5つのICが利用できる好立地。都市計画道路の整備が進み、要件を満たせば進出企業は全国トップクラスの補助金制度を活用できます。内需が好調に推移していることも追い風となり、注目度は高いですね」。既に県内のトップ企業も隣接する都田地区へ拠点を移しており、今後、人口分布が変わる可能性は高い。

 近隣市にも目を向けてみよう。湖西市はJR新所原駅の橋上駅舎と南北自由通路の供用開始でアクセスが良化したが、住宅地への波及効果は今一つ。「駅周辺でまとまった分譲地が販売されていますが、即契約というわけにはいきません。湖西市では市役所がある中心部と新居町を結ぶ道路の整備計画があり、車利用が多い地域だけに、こちらの方が影響力がありそうです」と中村さん。磐田市では分譲地の取引が活発。職住接近の生活利便性と販売価格の手頃感が消費者ニーズを満たしているようだ。袋井市はJR愛野駅周辺をはじめ、上山梨、方丈が好調。掛川市は全体的に弱含みで、駅南の青葉台や杉谷で価格を落としている。

 中村さんは「全国共通の傾向として、売れる土地、横ばいの土地、売れない土地の比率は3分の1ずつ。人口減少社会で全体の規模が小さい中、県内でも売れる土地すなわち新しい分譲地へ需要が偏っています」と説明する。 

 

沿線別宅地価格2 

 

■ 2018年は新築分譲マンションが続々誕生。価格は二極化傾向に

 板屋地区市街地開発

 

  プレミスト高町浜松市内に建設された新築分譲マンションは、2016年が1件39戸と少なかったのに対し、2017年は4件290戸と上向いている(表B)。1戸当たりの価格は3,000万円で2015年の水準に戻っている。

 昨今の建築費高騰の影響は薄れてきたのだろうか。「首都圏も地方も建築費の高騰は一段落していますが、建設業者の不足が深刻です。土地の仕入れ値が高いため、供給側は戸建てより採算が見込める分譲マンションに積極的ですが、人手不足で思うように手が回らないといった状況ですね」

 現在、浜松市内で販売中の新築分譲マンションは、『プレミスト高町』(大和ハウス工業)、『プレサス浜松』(三立プレコン)、『ブライトタウン貴布祢』(遠州鉄道)、『ブライトタウン小池』(遠州鉄道)。2018年以降に発売が予定されている新築分譲マンションを中村さんに教えてもらった。「大和ハウス工業とスズキビジネスが共同で常盤町に計画している大型分譲マンションがいよいよ発売されます。規模の大きさに加え、棟内に託児所を完備するといったサービスも注目されています。

 このほか、東街区でセキスイハイム東海の『ル・シェモア浜松中央』、成子町であなぶき興産の『アルファステイツ浜松駅西』、旭・板屋A-2地区第一種市街地再開発地区で一条工務店が地上30階建てのタワーマンションを発売する計画です。一時期のように発売直後に完売する見込みは薄く、販売価格は二極化しそう。購入を考えている人は、何を優先するかを念頭に比較検討してほしいと思います」

 

 新築分譲マンションの推移

■ 好立地の中古マンションが好調新築と変わらない価格で売れる

 アルファタワー一方、中古マンション市場は首都圏の影響を受けて軒並み好調だ。

 中村さんによると、JR浜松駅や遠州鉄道「上島」駅周辺では2,500万円前後で売れているという。「交通至便な中心部は総じて値崩れしません。地方の感覚だと築15年で二の足を踏みがちですが、首都圏の人は立地条件がよければ築25〜30年でも価値を認めて購入します。ただ、価格が高騰しているため、リノベーションの予算まで確保できないのが現状。リノベーションして売り出す“リノベ・マンション”を浜松で普及させるためには、販売価格がもう少し落ち着かないと難しいですね」

 さらに、相続税対策を背景に賃貸マンション・アパートの建設も盛んだ。アパートが建っている土地は貸家建付地となり、その土地にかかる評価額を下げることができるため、減税と土地有効活用を目的にアパート経営を始める土地オーナーが少なくない。所有者はなかなか土地を手放さず、住宅関連企業は分譲地用の土地を仕入れたい。こうした需給バランスが地価の底上げにつながっているようだ。

 

浜松駅前のタワーマンション

■ 品質だけでなく、転売する時のことも考えて、慎重に選びたい

 「購入希望者の多くは土地と建物をトータルした総額で判断するので、宅地価格になかなか目が向きません。また、土地云々よりも住宅の品質に目を奪われ、建物を気に入って衝動的に買う人が増えています」と中村さんは指摘する。

 土地を探して、そこに家を建てるより、分譲住宅を購入する人の方が圧倒的に多いため、買い手の目はどうしても住宅に集中する。しかし、分譲住宅の販売価格には地価が反映されていることを忘れてはならない。『住宅地価格の推移(浜松市の平均モデル)』(表C)を見ると、2017年は3.3uの価格が前年より3,000円アップ。これに連動して1画地(62坪)の価格も上がっている。『2018年の浜松市の地価の見通し』(表D)が示すように、来年以降、中区は底堅い相場で上昇、東区も上昇して10万円/uになるだろうと中村さんは予想する。

 

住宅地価格の推移

 

浜松市の地価の見通し 最後に、これから住まいを購入する人に向けてアドバイスしてもらった。「近年の住宅の進化は著しく、どの住宅メーカーも高い品質をそろえています。また、デザイン性にも優れ、モデル棟などを見学すると夢が大きく膨らみます。住宅の性能と品質は任せて安心ですが、立地条件は自分の目で確認・分析しなければなりません。その際に大切なことは、将来の転売を想定して見極めること。永住する場合は別として、もし転売することになった時、道路付きや陽当たりが悪かったり、崖下などの危険性を孕(はら)んでいたりしたら希望価格で売れないだけでなく、マイナス要因が敬遠されて買い手がつかない事態もあるからです。また、見学にあたっては、昼間だけでなく夜間の周辺環境状況を確かめておくこ とも重要です。戸建てもマンションも衝動買いだけは禁物。現在だけでなく将来まで見据えて、悔いのない決断をしましょう」

 年明けと同時に新春販売会や完成見学会を予定している企業も多い。あらかじめ優先順位を決め、自分や家族にとって一番大切なものは何かを考えた上で、じっくりと見学しよう。 

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(2017.12)

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