重要事項説明書のチェックポイント

1・土地や建物の権利関係

 登記簿に記載されている所有権などの権利の種類と内容、登記名義人などについての説明。売主と登記上の所有者が違う際には、譲渡契約が交わされているかを確認すること。また、中古住宅で抵当権がある場合は、引渡しまでにそれが抹消されるかどうかも確認。

2・建築基準法など法律による制限

 住まいに関係する法律は、建築基準法、都市計画法など数多くあります。購入予定の土地・建物に対して、これらの制限があるのなら、事前に確認しておきましょう。

3・私道負担の有無

 幅4m以上の公道なら、まず安心。もし私道ならば、所有者は誰か、敷地面積に含まれるのか、無償か有償か、また将来はどうするのかなど詳しく確認しておきます。

4・水道・電気・ガス・排水などの整備状況

 整備のための工事負担金や使用負担金の額をはじめ、いつ頃までに完備されるのかも説明事項のポイントです。

5・完成時の形状・構造など

 完成前に売り出されるマンションなどでは、完成時の外観、階数、間取り、内装の仕上げなどが説明されます。完成後に事実と異なる場合も起こりえますが、重要事項では予め「施工上の理由や改良などにより多少変更する場合がある」と記載される場合が多いようです。

6・マンションなど区分所有物件についてその権利、管理など

 マンションといった区分所有法の対象になる建物では、敷地の権利関係や管理などについての確認が必要です。

7・代金以外の名目で支払う金額とその目的

 住宅の売買では、代金以外に手付金、中間金などの名目で支払われるお金があります。その目的やそれぞれの金額がどういう扱いになるのか、明かにしておきます。

8・契約の解除について

 契約を結んだあとで、売主・買主のどちらかの都合や債務の不履行で契約を解除することがあります。例えば、買い換えの際に旧宅が売れない場合などがその例で、そうした際に無条件で解約できるのか、などをチェックします。

9・損害賠償の予定と違約金について

 契約の不履行があると、損害賠償の問題が起こりますが、その金額を事前に決めておくことがあります。なお、損害賠償予定額と違約金の合計は、不動産会社が売主の場合、代金の20%を超えてはならないとされています。

10・前金の保全措置について

 完成前の物件については、契約から物件の引渡しまでの間に支払われる前金が代金の5%を超える時、その保全のために銀行や保険会社の保証を付けなければなりません。その保全の内容、保証を依頼する金融機関を確認します。

11・業者が斡旋するローンの内容とそれが成立しない時の措置

 不動産会社が特定の金融機関と提携して、住宅ローンの斡旋を条件に販売する場合があります。その時には、その金融機関、融資額の利率などを確認します。また、ローンが成立しなかったら契約をどうするのかも重要なポイント。こうした場合、通常は白紙撤回となります。